「リトル・マーメイド」にはアースラという悪役(ヴィラン)が登場します。
アースラにはモデルとなった人物がいるのをご存じでしょうか。
この記事では、アースラのモデルと、彼女の声を担当した声優たちをご紹介します。
日本語吹き替え声優は、テレビや舞台で活躍しているあの芸能人ですよ!
悪役アースラができるまで
かなり個性的なビジュアルを持つアースラですが、現在の姿になるまでに色々なアイデアが練られていました。
デザインの一つの中には、痩せている姿のアースラも考案されていました。
しかし、鋭い目つきや怪しく微笑む口元など悪役らしい要素を表現しても、体型が細いとどこかインパクトに欠けていたのです。
そこで、スクリーンいっぱいに広がるような太った体型に再デザインすることに。
するとアースラの迫力が増して、より彼女の悪役像がつかめるようになったのです。
アースラの初期デザインはなかなかドギツイ感じで好きだ pic.twitter.com/LZMVRf1pHN
— Disney around (@disney_around) August 25, 2018
上の画像は、アースラの初期設定デザインの一つです。
やはり大きな顔にふくよかな体型の方が、まるで怖い夢に出てきそうな不気味な魔女に見えますね。
さらに、ある実在の人物がアースラのビジュアルをより明確にしました。
アースラのモデルは、実在のドラァグ・クイーン
アースラのモデルは、ディヴァインという名前のアメリカ出身のドラァグ・クイーンです。
俳優であり歌手でもあるディヴァインは、体重100㎏を超える巨体と奇抜なヘアメイクで「ピンク・フラミンゴ」などの映画に出演し、人々に強烈なインパクトを与えました。
10/19は、ディヴァイン (Divine)さんのお誕生日。アメリカの俳優、歌手。ドラァグクイーンの草分け的存在で、1970年代のゲイカルチャーの中心人物。映画『ピンク・フラミンゴ』、『ポリエステル』や『ヘアスプレー』など、ジョン ウォーターズ監督作品で主役を。1988年に他界。https://t.co/OtNTxqcYGN pic.twitter.com/O0UoIi9qyP
— レインボーアイル (RAINBOW AISLE) (@rainbowaisle) October 19, 2019
逆立てたヘアスタイルに色の濃いメイク、巨体で迫力満点に歌い踊る姿はまるで本物のアースラのようです。
今さら気づいたけど「リトル・マーメイド」のアースラ、口元にホクロがあるところまでディヴァインと同じじゃん! pic.twitter.com/nTp6IKQA2j
— らいと (@raitotoko) March 2, 2017
口元にあるほくろまで参考にしていたんですね!
表情の作り方も、おそらくディヴァインを参考にしていたと思われます。
まさにアースラそのもののようなディヴァインですが、惜しくも「リトル・マーメイド」制作中の1988年に、心臓発作によって42歳の生涯を閉じました。
アースラの本国の声優は、コメディアンのパット・キャロル
強烈な見た目をさらに印象付けるのが、アースラの恐ろしい声です。
特に彼女が歌う「哀れな人々」という曲は、アースラの不気味な魔力がイメージできる悪役らしいナンバーとなっています。
歌いこなす方もかなりのパワーを必要とするでしょう。
本国でアースラの声優を担当したのは、アメリカ出身のコメディアンであるパット・キャロルです。
アメリカのシットコム(シチュエーション・コメディ)ドラマで活躍した彼女は、女優、歌手、声優としてもマルチに活躍していました。
そんなパットの声優としての当たり役が、アースラです。
彼女はアースラはお気に入りの役だと公言しており、2002年に日本で開発されたゲームソフト「キングダム・ハーツ」や、ディズニーランドのアトラクションやショーでもアースラの声を務めています。
ちなみに映画の続編である「リトル・マーメイド2」では、アースラの妹であるモルガナ役を、パットが演じています。
アースラの日本語吹き替え声優は、歌手兼タレントの森公美子さん
アースラの日本語吹き替え声優を担当したのは、森公美子さんです。
オペラ歌手であり、タレントでもある森公美子さん。
彼女も女優や声優など、マルチに活躍しています。
イタリアへ留学してオペラを学び、やがてオペラの他に「レ・ミゼラブル」などのミュージカルにも出演するようになりました。
実は、ディズニーチャンネルのドラマ「スイートライフ」では、日本人歌手「クミコ・モリ」として本人役で出演したこともあります!
迫力のある歌声やコミカルな演技ができる森さんがアースラに選ばれるのは、彼女の実力からして当たり前のように思えます。
しかし森さんがアースラに選ばれた一番の決め手は、彼女のビジュアルがアースラにとてもよく似ていたためであったそうです。
7/22は作曲家 #アラン・メンケン 氏誕生日!(1949~)#リトル・マーメイド#美女と野獣#アラジン#ポカホンタス#ノートルダムの鐘#ヘラクレス#魔法にかけられて#塔の上のラプンツェル
そして #森公美子 さん誕生日!
メンケンさん繋がりではLMアースラ役に声優なのに見た目で採用された伝説が… pic.twitter.com/6REyy1beYA— 0317 O.D.M! (@from1815_24653) July 21, 2018
作品の監督がテレビで森さんを見て、「アースラはこの人しかいない!」と思ったのだとか。
森さん本人も、アースラをとても気に入っていて、楽しんで吹き替えをしているそうです。
まとめ
「リトル・マーメイド」の魅力的な悪役、アースラのモデルと、その声を担当した声優たちについてご紹介しました。
怖いけれどどこか憎めない、なんとなく親しみが湧いてしまうアースラは、個性的な芸能人たちの良さを取り入れてできあがったキャラクターだったのですね。
モデルとなった人物や声優のプロフィールを知ると、よりアースラに愛着が湧いてきます。
「この部分がモデルの人や声優さんに似ているのかな?」なんて想像しながら、アースラの活躍ぶりを観るのも楽しいかもしれませんね。